体つきの良い巨躯……。
その肩や胸などの主要部分に黄金色の軽鎧が身に付けられている。
「竜の頭に人の体、しかも鱗の色も黄金色とな? となると、もしやそなた竜人か?」
「いかにも貴殿の言う通り! それはさておき、久しいなレイシャ。それにクロウもか……」
「あ、貴方はエターナルアザー№6のサンダー=ドラグネオン! な、何故貴方がこんなところに?」
ドラグネオンとは昔の顔なじみなので、なんとなく理由は分っていた。
「私は長に組織に忠誠を誓った身! 即ち現在の体制を推すリッチー=アガンドラ殿に賛同し、私は此処にいるということだ……」
ドラグネオンは腰に下げていた一振りのバスターソードを静かに抜き、それを自身の胸元に構える。
「違いますっ! 長は心を入れ替え、異能の力を私欲に使わない新体制を推していました!」
「そうね、クロウの言う通りよ! 旧体制のリッチー=アガンドラの考え方に賛同するのは筋違いだわ……」
「……ふ、ふははは! 笑止っ! その長はもう組織には長い間姿を見せておらぬっ! しかもそのせいでエターナルアザーは大きく2つに分かれてしまった……」
竜人ドラグネオンは乾いた笑いと共に、その鋭き竜眼で私とクロウを睨みつける!
「じゃあ貴方も私達と一緒に異能の力を正しい方向に使えばいいじゃないですか!」
クロウは負けじと、ドラグネオンを正面から見据え凛とした言葉で言い返す。
(クロウえらい! そして、本当に成長したよね……。育てた身として私は心底嬉しいよ)
「ふ、ふふふ……」
身を静かに震わせドラグネオンは静かに言葉を紡ぎ出す。
「ではクロウ、そなたに問うが、正しい方向とは何だ?」
「え? それは、犯罪を犯さない人の役に立つ力の使い方のことです!」
「ふ、笑止千万……。人が我らに対ししてきたことをお前達はもう忘れたのか?」
「……あ」
「クロウ、そなたの親はそなたが使い物にならないから売り物にしようとしていたではないか!」
「そ、それは……」
痛い所を突かれ、クロウはうつむき押し黙ってしまう……。
(こればかりは悲しい事実だし、クロウも言い返せないよね……)
正直私も捨てられたと言われる身であり、クロウが言い返せないのが分かってしまいすっごく辛い……。
「わ、私の親だっていきなり私を売り物にしようとしたわけじゃないですっ!」
……珍しく険しい目つきにな